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自給自足生活を目指して奮闘中のえみぃ&オットと、 2人を取り巻く人々のグレートな生活の様子を愉快に 綴ります。
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いやー、ブログしばらくさぼっちゃった。
ここんとこ、イロイロ忙しくて。

まずは、来年1月20日に決まった、赤峰さんの松本講演会の実行委員会やら、ポスター、チラシのデザインやら印刷手配やら。なんとか納品になって一安心。
前回の講演会では、「チケットをニンジンの形にする!」ということからデザインを始めたんで、ニンジンメインのものになったけど、今回は赤峰さんの素敵な写真が手に入ったので、写真をふくらます感じでデザインした。

チラシ、ポスターはこちら

なかなかのできばえだと思うんだけど、いかがかしらん。

そして、田んぼ&畑の作業。
今年は畑が増えたんで、ちょっと目を離すと雑草の林になってしまう。循環農法を始めてから草を抜かない方向でやってるけど、アイリスや野菜が隠れてしまうほど伸びたらまずい。
あっちもこっちも抜く時間がないもんで、草刈り機で倒しまくった。

本業のデザイン仕事も、例年の6~7月は比較的のんびりペースなのに、今年に限ってずっと忙しくてんてこまい。
お洗濯やお掃除が二の次になって(いつもだけど)、家の中はほこりだらけ、仕事部屋は書類だらけで足の踏み場もなくて、とてもブログを書く気にならなかった今日この頃、みなさん梅漬けは終わりました?

てなわけで、とにかくいろんなことがあった7月前半、ブログの記事にしたいことがごろごろあるんだけど、とりあえず新たな出会いについて書こうと思う。

赤峰さんの講演会で知り合ったN女史。赤峰さんとはもう20年ぐらいのお付き合いだそうで、携帯電話でお話しちゃう仲(うらやますぅぃ)。
講演会では、当日の運用マニュアルのベースを提供してくださったり、開場の細かいところをチェックして回ってアドヴァイスをしてくださったり、イベント慣れしてる方だなぁと思っていたら、「NAGANO国際音楽祭」という大きなイヴェントを切り盛りしている方だった。

5月に会ったとき「音楽祭のお手伝いをしてくださらない」と言われてはいたんだけれど、正直、クラシックはほとんど、いやまったく興味がなかったえみぃ、上田で数年前から行われている音楽祭とのことだったが、まったく知らなかった。

内容をよく把握しないまま、HPの修正やチケットデザインなどをちょこちょこお手伝い。
そして、第1回実行委員会が7/10に中澤ホールで開かれた。

ongakusai.jpg

上田にこんなところがあったのかーという、素敵なサロン。ホールには高そうな(実際高いんだけど)ヴァイオリンがいっぱい並んでた。素敵なピアノも置いてあって、えみぃには無縁の世界って感じ。

ここは、中澤宗幸さんがオーナーのホールとヴァイオリン工房なのだ。
中澤さんは葉加瀬太郎さんのヴァイオリン・ドクターとして知られているお方だそうで、奥さんはヴァイオリニストの中澤きみ子さん。NAGANO国際音楽祭の実行委員長でもある。

会議には中澤実行委員長と、実行委員12名が参加。
中澤実行委員長は、ダンディで物静かな方。携帯にかかってきた電話に英語で応答してたりして、おぉぉやっぱすげーっ、別世界の人だって感じ。
なんだか場違いだなぁと思っていたんだけど、意外にも、「クラシックは詳しくない」という方もいらっしゃったし、副実行委員長はお坊さん。頭がツルツルなの。そして少林寺拳法の達人らしい。副実行委員長を見ると、なんとなく緊張感が緩むから不思議。

おいしい仕出し弁当をいただきながら、和やかに会議はスタート。
いろいろ話を聞いているうちに、音楽祭の全貌が明らかになっていった。8月19日から26日の期間中、国際的に活躍する演奏家の方が集まり、レッスンとコンサートが開催される。コンサートは上田市のセレスホールや、柳町や別所温泉のお蕎麦屋さん、東御市の居酒屋さんなど、いろいろな場所で行われる。坂城町のホールでは「0歳児からのコンサート」なんていうのもあって、お腹の赤ちゃんから大人まで入場可能で、子供も楽しめるコンサートもある。
ここ最近は、受講生からコンクール優勝者が出て各方面に取り上げられたり、口コミで良い噂が広がっているらしく、レッスンの受講希望者が既にたくさん集まり、募集を締め切ったクラスもあるほどだ。

とまぁ、ここら辺までは「なるほどねー」って感じで聴いていたのだけど、なぜ上田で国際音楽祭なのかという疑問が。
するとすかさず、副実行委員長から、「チケットを売るとか協賛をお願いするっていうだけじゃなくて、音楽祭を続けている理由、気持ちを1人でも多くの人に伝えて欲しい」ということで、えみぃの??が解消される話が始まった。

中澤きみ子さんは上田市出身なんだけど、そのお父さんである「幹夫」さんが戦争が終わって上田に戻ったときの話だ。
幹夫さんは重い体と気持ちを引きずりながら、駅から鷹匠町に抜ける細い道を通りかかったとき、とある建物の窓から流れてくるヴァイオリンの音に聴き入り、座り込んでしまった。ヴァイオリンの音に心が癒された幹夫さんは「平和な世の中が続き、結婚し、やがて子供を得たなら、その子にヴァイオリンを習わせよう」と心に誓ったそうだ。

その後生まれたきみ子さんは、5歳からヴァイオリンを習い始めてプロになったわけなんだけど、決して裕福な一家だったわけじゃなくて、ヴァイオリンを習うために幼稚園をあきらめたりしたのだとか。毎週日曜日にはスズキ・メソードのヴァイオリン教室に通ったんだけど、「午前中、家族そろって農作業をして、お風呂に入り、母手作りのワンピースに着替え、駆けつけるレッスンで、気づくと爪が真っ黒でとても恥ずかしかった」と振り返る。

と、話がダッフンしたけど、幹夫さんが亡くなるときに「コンピュータが普及し、これから心の通わない機械の時代になる。そんな世の中を潤すのはきみ子のヴァイオリンだよ。頼んだよ。きみ子」と言葉を残され、中澤夫妻は国内外で出会った一流の講師陣を上田市へ呼び、コンサートの収益で補えない部分は私財を投資して、若手演奏家のサポートをするようになり、両氏の思いに賛同した上田地域の住民達が中心となって、ボランティアで実行委員を作り、音楽祭は支えられているのだそう。

この日参加していた実行委員の面々も、個人的な損得感情はまったくなくて、クラシックが好きだから広めたい、クラシックは詳しくないけど中澤夫妻の気持ちに賛同したからお手伝いしてる、そんな人ばかりだ。
悲しいニュースばかりがクローズアップされる今日この頃だけど、世の中にはこんな人達もいるんだなぁって、人間も捨てたもんじゃないって思った。

会議の間中、ずっとクラシック音楽が流れていたせいか、ホールの雰囲気が素敵だったせいか、もちろん実行委員のみなさんのお話が楽しかったこともあるけど、長い時間の会議だったにもかかわらず、最後まで心地よい気分だった。
中澤夫妻や実行委員のみなさんの熱い思いを知ったせいか、クラシック音楽にもちこっと興味が出てきて、とりあえずなじんでみようと、仕事中にサウンドステーションでクラシックにチャンネルを合わせてみたりして。
これがなかなか、お仕事のじゃまにならなくて、時々耳を澄ましたりして、いい感じ。

今まで「食うことは生きること」で、食生活が大事って思って、自給することに全力投球してきたけど、食べることだけじゃなくて音を楽しむっていう引き出しが増えたら、もっと楽しめるのかなーなんて思って、音楽祭成功にむけてお手伝いを頑張ろうと思う、今日この頃なのだ。

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