蚕の季節その６・種を見極める

えみぃです。

先日えみぃ用に素敵な座椅子を買ったんです。
リサイクルショップで激安品でしたが、ほぼ新品できれいでした。
家に持ち帰り居間に置いて、ちょっと用事を足して戻るとみぃが座ってました。



あららららー。
でもまぁ、かわいいからいいかと。
それからというもの、すっかり「みぃ専用」となりました。

と思っていたら。



今度はチャーリーが。
そしてそれ以来、チャーリーとみぃの仁義なき戦いが繰り返されるようになりました。

どうやら背中にあるすき間がツボらしく、お互いにそこから顔を出して威嚇し合ったり、パンチを繰り出したり。
すっかり猫の遊び場になり、新品のカバーはずたずたに毛羽立って残念なビジュアルになってしまった上にえみぃの座椅子としてはまったく機能しなくなった今日この頃。
みなさん、いかがお過ごしですか？


ってなわけで、昨年9月中旬に採って冷蔵庫で保管していた卵が孵らず、今年の養蚕はもう終わりと思っていたら、なななんと！この夏の蚕さんの卵が孵ってた！！

 

最初に見つけたのは日本錦。
気が動転してあっちこっち見てみると、金色松本、日本錦×小石丸、日本錦×金色松本、金色松本×小石丸などの卵からの孵化を確認。
小石丸は孵化していなかった。

それからネットで調べてみると、小石丸は１化性だったのに対し、日本錦と金色松本は２化性だってことがわかった。
っていうか、最初からちゃんと調べとけよ、自分。

１化性だの２化性だのが？？？な方のためにちょこっと説明すると、蚕さんの卵には休眠卵（冬を超えないと孵らない卵）と非休眠卵（すぐ孵る）ってのがあって、１化性の蚕さんは休眠卵しか産まない、つまり１年に一度しか育てられないのだ。
２化性はどっちの卵も産むので、１年に２回育てられる場合がある。
ちなみに、日本の固定種にはもともと１化性と２化性がある。

ちなみにちなみに、蚕さんの分類として「日本種」「中国種」「欧州種」「東南アジア種」と４つあるんだけど、日本種と中国種は１化性&２化性、欧州種は１化性、東南アジア種は多化性（一年に三度以上孵る）となっている。
卵のことだけじゃなく、糸の太い細い、長い短い、暑さ寒さに強い、成育が遅い早いなどさまざまな特徴があり、現在主流の養蚕品種はこれらをかけあわせてつくられた。

話がダッフンしたのでもとに戻すけど、日本錦と金色松本は２化性なので非休眠卵を産む可能性は多いにあったんだけど、２化性だからといって必ず非休眠卵ってわけでもないらしく、今手元にある卵が全部孵るわけじゃないみたいだ。


ってなわけで、もう終わりと思っていたのにまた毛蚕ちゃんに逢えてうれしいやら、朝晩はすっかり秋で気温が低くて心配やら、ミックスの蚕ちゃんや蝶々がどんなんかしらーとワクワクドキドキやら、いろんな気持ちが入り交ってニヤニヤしたり汗かいたり、一人百面相状態。

とにかく孵った毛蚕ちゃんが感想、じゃなくて完走、でもなくて乾燥しちゃうといけないから、庭の桑の木から幼葉を取ってきて、毛蚕ちゃんを移動。
今回はミックスもいらして品種数が多いので、コピー用紙で作った箱に品種ごとに入れた。
乾燥しないように濡らしたティッシュを入れ、サランラップでコーティング。

 

日本錦が一番数が多くて、続いて日本錦♀×小石丸♂、日本錦♀×金色松本♂、金色松本♀×日本錦♂、金色松本♀×小石丸♂という順番。
日本錦の♀が2化率が高いのかな。とぼんやり思ってみる。

昨日はここまでで疲れちゃったんで就寝。
今朝、改めてじーーーーっと観察をしてみたら、日本錦の点青期の卵を発見！！

 

黒い目みたいなのができているのが、点青期の卵。
頭ができているところらしい。
これから数日で青い色に変わり（催青期）、数日のうちに孵化する。
周りにある黄色いのとちょっと茶色がかったのも非休眠卵だと思われ、これから点青期がくるのではないかと。

 

こちらは金色松本の卵。
点青期（ピンクの矢印）と催青期（青い矢印）が混在している。

ちなみに、休眠卵と思われる小石丸の卵はこんな色。



藤鼠色と呼ぶらしい。
催青卵よりすこーし色が濃いように思うけどけっこう似ていて、厳密にわけるにはここに至るまでの色の変化を見ないといけないみたい。

休眠卵は産まれて二日後には小豆色に変化し、さらに二日ほどで藤鼠色になる。
非休眠卵は一週間ほど黄色いままで点青期を迎える。

とまぁそんなわけで、生まれた日付のチェックと経過観察が重要ってことが今更ながらわかったけれど、今回はそんなことを知らずに卵を採ったので、休眠の藤鼠色なんだか催青のグレーなんだかわからない、まさにグレーゾーンの卵がいっぱいなわけで、、、。
えみぃのドキドキはまだまだ続きそうだなーと、期待と不安が入り混じる今日この頃なのだ。