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自給自足生活を目指して奮闘中のえみぃ&オットと、 2人を取り巻く人々のグレートな生活の様子を愉快に 綴ります。
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えみぃです。

浅間山麓はぐっと涼しくなり、お蚕さん用の桑の葉も寂しくなってきました。
現在、今年最後のお世話中です。

3月にスタートしたプチ養蚕、切れ目無く5ターン飼育しました。
お田植え後はF1種を取り寄せて久しぶりにムチムチを体験したり、我が家の雑種の蚕さんをお友達に配ったり、2年ぶりに6000頭という無謀な数にチャレンジしたりと、充実したシーズンでした。

3月からほぼ毎朝晩桑取りの日々。我ながらよくやったなーと。
例年今頃孵化させた方々の飼育で11月まで桑の葉集めに奔走していましたが、今年は今飼育している方を最後にしました。朝晩の作業がなくなって楽になるけど、さみしいなー。来春までさようならー(涙)。

と、秋が深まりスッキリ美しい空とは裏腹に、どんよりおセンチな今日この頃。
皆さま、いかがお過ごしですか?



ってなわけで、養蚕終わりでモヤモヤ、稲刈りが近づいてドキドキと、いろんな感情がくるくる回っている秋だけど、感情のくるくるに左右されることなく仕事、野良仕事、かふぇ営業の日々は粛々と続けている。

しかーし、今年は色々詰め込みすぎのせいかやることはポンコツで、昨日は「お客様の縫い物をするぞ」と意気込んでかふぇに行ったけど、裁断で使う大事なロールカッターの刃を忘れてしまい、作業出来ず。

今年のえみぃのポンコツぶりといえば、携帯電話を数日見失うとか、守成の例会の名簿がボロボロ間違いだらけとか、お客様に納品したPDFのファイル名が全然違うとか。認知症では?というレベルでたくさん失敗があった。人生50年を過ぎ、そろそろ脳も体も衰え始める(いや、すでにだいぶ衰えている?)ことをふまえ、来年の動き方を考えないとと思って(は)いる。

と話が脱線したので元に戻すけど、店について「さぁ、裁断!」と思ったのにカッターに歯がついておらずがっくし。ハサミで切るか?とも思ったけど、今回はバイアスの切断なので切り口がメロメロになると仕上がりに影響が出ちゃうので断念。
縫う気満々の気持ちが抑えられず、何を縫うかなーと店を見回したら、背縫いだけ繋いで放置された紬を発見。

頂き物の洗い張り、気まぐれに手をつけて背縫いだけで終了。仕上げは来季と思っていたんだけど、縫ってしまえーと。

洗い張りがわからない方のためにちょっと説明すると、正絹の着物はそのまま水で洗うことができない。水につけた時の布や糸の伸縮具合が違うため、水にドボンとやると形が崩れてしまうことが多いのだ。
よく聞く「丸洗い」っていうのはいわゆるドライクリーニング(油につけること)で、ファンデーションの汚れや皮脂などは落とせるかもしれないけれど、汗などの水性の汚れは落とせない。どうしても水に通したいときは、いったん縫い目を解いて反物に戻して洗う。
なので、皆さん着物を着るときは、汚さないように気を付けて、汚れがついたらただちに染み抜きや汗抜きなどのお手入れが必要なのだ。

というわけで、洗い張りというのは「解いた着物をつないで洗った反物」を差すのだよ、明智君。新しい反物を切断して縫うより、すでに部位に切断された洗い張りのほうが仕立てが楽なのだったらなのなのだ!

単衣を縫うのは5枚目。へら付けなしでアイロンとミシンを使った邪道な縫い方、本だたみにすると左右の色々が合わないとか、裾が曲がっているとか難はあるけれど、着てしまえば分からない。
いや、見る人が見ればわかるのかもしれないけど、自分は気にならないと言う方が正しいか。
半日でザーッと仕上げる蛮行を、今日は紹介してみようと思う。
ここから先は着物や和裁のことを知らないと訳わかめーだと思うけど、写真をたくさんアップするので興味がある人は見てみてほしい。

①身ごろ二枚を合わせて背中心を袋縫いにする。
表を合わせて5センチ間隔にまち針をうち、5mmの縫代でガーっとミシンをかける。
縫い目をアイロンで倒してから中表に折り返し、まち針をして今度は縫代1センチで縫う。



②身ごろにおくみをくっつける
まずは身ごろにアイロンで縫うラインを印つけ。
前身ごろと後ろ身頃を合わせて、えみぃの後ろ幅は30cmなので背中心から30cmのラインをアイロンでつける(両脇)。
前幅は25cmなので、前見頃の脇縫のラインから25cmのラインにアイロンで印をつける。
おくみの耳じゃない方を、約1cm折り返してアイロンをかける(2枚とも)。
そして、おくみの縫う線(青)と前身ごろの縫う線(赤)を裾側から合わせてまち針を打つ。



そしてミシンでラインの上をガーっと縫う。
何のためらいもなく、多少のぶれも気にせず。

 

縫い終わったら2mmのきせをかけてアイロン。
そして一応身丈を確認。
長い場合は縫い込みをするけど、アンティークの洗い張りの場合は短いことが多いので、必要ない場合が多いんだけど、一応羽織ってみる。



よし!

③脇を縫う
まずは繰越を確認。衿肩あき(赤い線)を、背中側に2cmずらして肩山(青い線)を決める。
繰越っていうのは衣紋を抜きやすくするためのもの。詳しくはググってちょ。



ここを肩山にして前身ごろと後ろ身頃を揃えて、②でつけたラインを合わせてまち針を打つ。
そして、肩山から37cm開けて、脇をミシンで縫い合わせる。
繰越で下げた分、後ろ身ごろが長くなる。本来は縫い込むんだけど、えみぃはちょんぎってしまう。ごめんなさい。



そして裾をロックで処理。キセを伸ばさないように、縫い目のところは慎重に。



特に手織りの紬などは端がほつれて作業しにくいので、ロックをかけておくと裾の始末が楽なのだ。

④衿下と裾を三つ折りぐけ
衿下の寸法は、腰紐を締める位置にするので、身丈にによって変えている。
と言葉で言うと難しいけど、つまり羽織って見ればいいのだ。裾線を決めておは処理の具合を見ながら腰紐の位置を確認して決める。今回は身丈160cm、衿下87cmになった。

あとはアイロンで三つ折りにして、ひたすらくける。



三つ折りぐけは布をピンと張るとやりやすいので、右側をまち針で止めて左手で引っ張って縫う。
くけ台使えばベストだけど、正座苦手だから(笑)。
まち針はこたつ布団に刺したけど、ない時は右足のズボンに刺してる。

⑤衿つけ
ここが最大の難関。そして今まではかけえりは無しで仕立ててたけど、今回はわりと左右対象に仕上がったので付けてみることにした。
衿とかけえりの中心を決めて、中心を合わせて重ねる。
二枚重ねたまま、縫代1.5cmにアイロンで印をつける。
身ごろの背中心衿肩あきから3cmぐらい下のところから衿肩あきのちょっと先まで、まち針を打ってチクチク手縫い。写真は衿側だから訳がわからないと思うけど(爆)。
ちなみに、見ごろ側に印はいっさいしてない。
今まではここもミシンで縫っていたけど、ゆるやかなカーブがうんまく縫えなかったので、今回は手縫い。



カーブしているところだけ縫い終わったら、衿先まではミシンでがーっと。
衿と見ごろがくっついたら、おくみや身ごろの余分な部分をきれいにたたんで衿の中にしまい、衿を半分に折って縫いつける。って、一番肝心なところを撮影忘れちゃった(がはは)。

⑥袖つけ
ここまでくるともう終わったようなもん。
まずは袖側にアイロンで縫う線をつける。



縫い代ぎりぎり、袖幅をめいっぱい取れるだけ取る。
赤い線が袖口側、青い線が見頃側。今回は袖幅33㎝確保できた。
赤い線と青い線のところをアイロンで印つけ。

次は身ごろ側。



礼装用の裄は67㎝~68㎝なんだけど、普段着の裄は65㎝あれば大丈夫。
というかそれ以上だと運転や家事の動きに支障が出るのだ。
というわけで、袖幅が34㎝取れたので背中心(青)から32㎝のところ(赤)に印をつけ、脇縫いと斜めにつないでアイロン。

そして身ごろと袖のカタヤマの印を合わせ、縫う部分にまち針を打つ。



肩山を中心に46センチぐらいを縫い合わせるわけだけど、衣文を多めに空けて着たときに脇が開かないよう、前を多め後ろを少なめに縫っている。
縫い終わったら縫い目を袖側に倒し、2㎜のきせをかけてアイロンをかけておく。

⑦袖つくり
袖の裾を袋縫い。
まずは表を合わせて裾から1㎝ぐらいのところを縫う。



ここはアイロンもせずにだいたいな感じで(笑)。
今回みたいな格子だと、格子のラインをめどにしたり。そうでなくても布目を追っていけば大丈夫なのだ。
縫い終わったら裏返して中表にしてしっかりアイロンをかけ、肩山から49㎝のところに印をつけて前見頃側に倒してしっかりアイロンをかける。
アイロンのラインより外側2㎜ぐらいのところを、見ごろ側からちくちくぬっていき、袂はカーブをつけながら袖口まで縫う。ここはミシンでもOK。

で、残念ながらこの先の写真を撮りそびれちゃったのと、たぶんこの先は一般的な単衣着物の縫製と同じだと思うので、端折っちゃう。
そして、おくみと脇の残布のペラペラはまだくけてないけど、まぁ着られるところまでの制作時間は8時間。その着物はこちら!!



これまでは毎回試行錯誤だったけど、手順が決まって慎重に縫ったのでまぁまぁの出来。
本だたみもできそう(爆)。
もちろん、柄合わせなどいっさい考えていないけど、変じゃないねー。

というわけで、ここまで読んでくださったあなた。ありがとうございます。
リサイクルの洗い張りは結構リーズナブルだし、単衣の縫製はわりかし簡単なので、お着物生活している人にはぜひ縫って着てもらいたい!
昨今の暖房事情もあり、通年単衣でいいんじゃね?という考えも出始めているし、手織りの紬なら厚みもあるから真冬はだめでもわりかし着用時期は長く取れるんじゃないかって思う。
このブログを読んだだけじゃーたぶんわからないことだらけだろうから、興味のある人はぜひ、かふぇに来てもらって、邪道縫製を広めたいと真剣に願う、今日この頃なのだ。

この縫い方を見た和裁士さんの感想を聞きたい(怖いけど)。
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プロフィール
HN:
えみぃ
性別:
女性
職業:
農婦
趣味:
育猫、育苗
自己紹介:
えみぃ・・・・オーナー
オット・・・・えみぃのオット
音次郎・・・・オス(16歳)
るん・・・・・メス(16歳)
チャーリー・・オス(14歳)
杏・・・・・・メス(9か月)

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