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自給自足生活を目指して奮闘中のえみぃ&オットと、 2人を取り巻く人々のグレートな生活の様子を愉快に 綴ります。
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えみぃです。

9月も半ばになろうとしています。今年は早いなー。
稲は順調に穂を垂れ、25日に稲刈りが決定しました。
苗代からの稲作10年目にして、9月中の稲刈りは初めてです。
やっと人並になったというところかな。

秋生まれのえみぃは秋が大好き♡。
お着物生活を始めてからは、なおさらです。
透け感のある夏着物も好きだけど、やっぱりごてごて重ねられる&コーディネイトの幅がある袷着物が好きー。

シーズンが始まる前には、仕入れと称して大量の着物を入手しています。
ほとんどえみぃのクローゼットに入るんだけど(笑)。
そして、着てみたけれどサイズが合わなかった、一度も着ていない着物が、クローゼットから大量に放出されて店に並びます。
今朝も仕訳の真っ最中。
今週末からお店に新しいお着物が大量に出ます!!
皆さん見に来てくださいね。


ってなわけで、いつものように秋を満喫している今日この頃だけど、今年の秋はいつもとちょっと違う。
お蚕さんがいるからだ。


5齢幼虫さんがもりもりと葉を食べる期間は一週間。
毎日せっせと畑から桑の葉を運び、朝晩飼育箱の掃除&給桑(きゅうそう、と読みます)。
どんどん大きくなる蚕さん、眺めるのもイチャイチャするのも楽しくて、るんるん♪な日々を過ごしていた。

そして飼育開始から26日目の8月24日、上族(じょうぞく)開始。
上族っていうのは、飼育箱からまぶし(繭作りのためのマス)に移動することをさす。
そういう状態になった蚕さんを「熟蚕・じゅくさん」と呼ぶ。
5齢で大きさマックスの状態からちょっと縮んで、体が黄色く透けてくる。



そして、上を見上げて「上りたい~」という仕草をしたり、隅っこで糸を吐き始める。



たくさん飼育している養蚕農家では、熟蚕がある程度の割合になったところでいっぺんに上族するようだけど、えみぃん家は数が少ないので手でつまんでまぶしへ移動。

まぶしはそこいらに売っていないので、自作した。
ペーパーポッドっていう、紙でできたマス目の道具をビールの空き箱に張りっつけて。



これがうんまいこと行って蚕さんも大喜び!?だったけど、ちょっと誤算も。
このポッド、1つで128マスって書いてあったんで、4つもあれば足りるわ―と計算していたんだけど、それはいっぱいいっぱいに広げた場合。
ビールの箱に合わせて広げたら、63マス分しかなかった。とほほだよ。

トイレットペーパーの芯でもOKというのを見たので、作ってみた。

 

芯を半分の長さに切って、ホッチキスで横につなげて、それをビールの箱にくっつけた。
数が足りず、上の方は厚紙で適当に区画を作ることに。
まぁ、蚕さんも気に入ってくれたみたいで良かった。

それでも数が足りなくなっちゃったんで、ペーパーポッドを追加で買いにいったら同じサイズ(3.8cm×3.5cm)のものが売り切れてて、一回り大きいサイズ(3.8cm×5.0cm)しかなかった。
まぁちょっとぐらい大きくてもいいかと思ったけど、蚕さんにはちょっと大きすぎた&さらにマス目が少なくなっちまって50個ぐらいに。
ということは、まぶしをたくさん作らないといけないわけで、置き場所にも困るわけで。

玄関から台所にむかう廊下に、こんなふうにぶらさげた。



こうして、熟蚕になった子をちまちまとまぶしに移動して行ったんだけど、これが案外大変だった。
蚕さんは気に入ったスペースにはまるまで、ウロウロあちこち歩き回っちゃう。
まぶしを通り越して柱をウロウロする子もいるし、既に繭を作り始めたマスに入ろうとする子も。
2人仲良く営繭しはじめちゃったのはそのままにしたけど、あきらかに嫌がられていたりおかしな形になったものは入れなおしたり。

果てしなく動きまわる子がいると、「もしかして、まだ桑が食べたいのかな?」なんて思って、飼育箱に戻す。
でも、箱に戻した途端にまた糸を吐き出して、またまぶしに戻したり。

タイミングがずれた上にそんなことをしていたら、ビール箱まぶし(380頭分)をいっぱいにするまで3日もかかってしまった。

そして、まぶしはいっぱいになったけれど、まだ幼虫さんがゴロゴロ。
 増設して残りの幼虫さんが落ち着くことを考えると、まだ2日ぐらいかかりそうだなー、もう疲れたなーと。

というわけで、最後は紙で作るテトラまぶしに入れてコンテナで保管することにした。



A4のコピー用紙を半分に切り、長い方の辺を両側から畳み筒を作り、封筒みたいに口をふさぐ。
残った口から熟蚕さんを投入して、垂直方向に畳んで閉じる。
通気性が悪そうなので、空気穴をあけて完成。

出入りが簡単な区画まぶしと違って落ち着くらしく、すぐに糸を吐き始める。
蚕さんは糸を吐き始めるときにおしっこをするので、テトラだとおしっこが繭につきやすいことと場所をとるというデメリットがある。
でもまぁ、1日でほぼ残りの蚕さんを入れることができ、ほっとした。

営繭(えいけん)の最中はおしっこ臭いという話を聞いていたけれど、400匹ぐらいとそうでもないなと感じた。
ギュギューとかギシギシとか、蚕さんが糸を吐く音がけっこう大きくてびっくり。
繭が出来上がるまで休むことなく続く。働きものだー。
糸を吐き始めて2日ほどで繭になり、さらに2日ほどで脱皮して蛹になり、さらに3日ほどで羽化となる。

上族が終わってほっとしたのもトコノマ。病気が続出する。
糸を吐いている途中で黒くなる、あるいはつくりかけの繭から飛び出して亡くなるというもの。
420頭中20頭ぐらいが亡くなってしまった。
当時はウィルス感染を疑ったけれど、どうやら「触りすぎ」だったことが判明。

小さい頃、お蚕さんを触って遊んだ記憶があったし、どこかで「5齢さんになればもうさわっても大丈夫」というのを読んだので、5齢さんになってからは触りまくっていた。
普通に考えればそうだよね。カブトムシとかだって、幼虫を触ると変形するもんね。
あまりにもおバカ!でなさけなくて、父ちゃん涙でてきた。←誰ですか?

そして、この繭たちを全部成虫にするわけにはいかないという現実にも直面して、この頃はすごくブルーだった。

羽化した蚕蛾は、コクナーゼという弱アルカリ性の液体酵素を出し、繭を溶かして出てくる。
糸が切れて引けなくなるので、生糸を引く場合は中の蛹を殺さないといけない。
えみぃは生糸を引く予定はなく真綿なので、羽化した繭でもできなくはない。

でも、400頭の蛾をどうやって飼う?ってことと、半分が雌だったとしても卵が6万~10万粒ぐらい取れちゃうけどどうする?ってこと。
そして、羽化後の蛾さんたちは、その命が尽きるまで飛ぶことも食べることもない。
亡骸も使い道がない。
 
それに比べて蛹は高たんぱくで人の食べ物にもなるし、キャットフードにも良いらしいし、肥料としても最高だと。
羽化させずに蛹を利用したほうが良いんじゃないかと思えてきて、全部羽化はあきらめた。

殺蛹(さつよう・さなぎを殺すこと)の仕方をネットで調べると、オーブントースターで焼く、ふとん乾燥機で乾燥させるなどいろいろ出てきた。
どれも気が進まない中、「冷凍庫に入れる」というのならできそうだと、そうすることにした。
 
そしていよいよ収繭の日がやってきた。
まぶしから繭を引っ張り出し、繭のまわりについたふわふわの毛羽を取った。
繭を振ってみて「カラカラ」っていう音がするものは、中で蛹になっている証拠。
音がしないものは、さなぎにならずに亡くなっているので省く。

汚れていたり、小さいものや薄いものはカッターで切って、さなぎを出した。



取り出した蛹は、触ると勢いよくお尻を震わせて、とてもかわいかった。

汚れがないきれいな繭は、冷凍庫行き。
蚕さんをお迎えしたときから繭を取るのを楽しみにしていたけれど、複雑な気持ちだった。



そして、きれいな繭たちはビニール袋に入れ、冷凍庫へ。
プニプニ動く蛹を見ちゃったから、「中にああいう子が入っているんだなぁ」って思ったり、お世話してきた間のことが走馬灯のように脳裏をかけめぐって、涙が出た。
その日は夜眠りにつくまで、本当にブルーだった。

翌日とそのまた翌日も収繭作業をして、370個の繭が冷蔵庫へ入り、雄13頭雌10頭の蛹が羽化を待つことになった。
お世話もなくなったし、殺蛹の鬱をひきずって、ちょっとつらい一週間だった。

そして、9月7日。飼育開始から40日目に、蚕蛾ちゃんが出てきた!



真っ白な毛に覆われた、かわいいかわいい男の子。
ブルーだった気持ちを、少し軽くしてくれた。
その日は3頭の男の子がかえり、翌日も2頭の男の子。

男の子ばっかりだなーと思っていたら、9日に待望の女の子が!!
ちょっと手が奇形っぽくて、歩くのも困難だったけど、交尾をして夕方には産卵を始めた。

それから2日はまた男の子ばかりだったけれど、11日には3頭の元氣な女の子が孵り、12日には4頭、13日には5頭と次々羽化。



女の子は男の子より大きくて、お腹もぷっくり。
卵をたくさん抱いている。

交尾が終わって半日ほどすると、卵を産み始める。
きれいなまっ黄色な卵を、うんしょうんしょと一粒ずつ生んでいく。
その姿がかわいらしくて、じーっと見てしまう。



2日ほど経つと、黄色い卵が褐色に変わる。
ビニール袋に入れて、冷蔵庫で来年の初夏まで眠ってもらう。
この卵からうんまいこと毛蚕が出て来るのか、ちゃんと育つのかは未知数なんだけど、ひとまずやってみようと思っている。

ここのところ毎日、羽化した女の子を男の子の交尾や産卵を見ながら、こうして子孫を残せる子らが幸せで、冷凍庫で眠る子らは不幸なんだろうかと考えたりして。

えみぃん家のばあちゃんは「お蚕さま」と呼んでいた。地方により呼び方はいろいろだけれど、養蚕農家の方はみんなお蚕さんを敬い、数が増えてくると自分たちの寝る場所をも提供して、大切に飼っていたそうだ。
糸を取るにあたり蛹を殺すわけだけど、ありがとうという気持ちで行い、供養塔を作って祈ったりしていた。
糸を取るために飼っているんだけど、愛を持って育てていた。
そうやって人と蚕さんは5000年という長い期間、一緒に生きてきたのだ。
えみぃはまだ門をくぐったところだけれど、もっともっと知りたい、経験したいと思った。

ってわけで、初めての養蚕はものすごく大きな楽しみと喜びとせつなさをもたらしたわけで、えみぃもまた一回り成長した?んじゃないかって思う、今日この頃なのだー。
来年は1,500匹飼育予定(爆)。
 
 
9月14日、追記
最後の蛹(オス、メス)が羽化。
このオスは最後に小さい繭を作った子で、どんなんが出て来るかと楽しみにしていたら、やっぱり小さかった。
かぼちゃワインチームと名付けました。
 
 

かわゆい。

  
  
  
  
   

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HN:
えみぃ
性別:
女性
職業:
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趣味:
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オット・・・・えみぃのオット
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