忍者ブログ
自給自足生活を目指して奮闘中のえみぃ&オットと、 2人を取り巻く人々のグレートな生活の様子を愉快に 綴ります。
[314]  [313]  [312]  [311]  [310]  [309]  [308]  [307]  [306]  [305]  [304
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

えみぃです。

春から田んぼの作業を一番に動いてきたので、家の中はちらかってるし庭は草ボーボーだしで、私生活はひどい状態でした。

んが、梅の実を取りに来たリョウコさんが、半日ちょこっと仕事しただけでこのとおり。



あ、この写真を見るだけだときれいになったのがわからないかもしれないけど、ついさっきまで小屋が見えないほど両側から草が押し寄せていたのです。

鎌で草を刈り、庭木の枝をのこぎりでバッサバッサと落としていく。
御年70才のおばあちゃんながら、仕事は男並みの手際の良さ。しかもくわえたばこだし。

命絶え絶えだった花たちが救い出されました。

 

つるミミエデンちゃん。
草の海の中でつぼみをつけてたのねー。嬉しい。



紫陽花てまりてまり。
八重咲きのかわいい子。

ずっと手入れをしていなかった庭は、紫式部やらやまぼうしやら植えた覚えのない木がたくさん茂り、ドクダミが総面立ちだったけれど、リョウコさんのお蔭でこの通り。



はー、すっきり。
オットも猫も大喜び~になること間違いなし。

仕事を終えると「じゃあな」とだけ言いのこし、さっと帰っていきました。
リョウコさんありがとう!と心の中でささやいた今日この頃。
皆さん、いかがお過ごしですか?


ってなわけで、猫の手も借りたい、超ウルトラスーパー忙しい農繁期。
お田植えが終わり、田の草取りもなんとなく終わりが見えて来てほっと一息つく暇もなく、いよいよ蚕さんをお迎えすることになった。

昨年育てたのは「錦秋鐘和(きんしゅうしょうわ)」というF1種。
蚕もF1なの?って言われるけれど、野口の種の野口さんによると、日本における一代雑種(つまりF1種のこと)という種苗育成技術は、蚕の種から始まったそう。

同じ品種をずっと育てていると、遺伝子が弱って子供ができにくくなる。
だけど、まったく違う遺伝子を持った固体とかけあわせると、一代目の雑種に限って雑種強勢という現象が発生する。
親の良いとこ取りの強い固体が生まれるだけじゃなくて、この交雑種は揃い良く均一に成長するというおまけもついてくる。
F1種はいろいろと問題を指摘されているけれど、実は大いにメリットがあったのだ。

固定種の良いところは「種が取れる」ということだけ。野菜の場合は強いて言えば揃いが不揃いで成育が遅いから、大きく育ったものから順番に長期収穫ができることだそう。

と話がダッフンしたのでもとに戻すけれど、養蚕の近代化の際、効率良くたくさん繭を取るためにF1の研究がされ、現在の養蚕ではほとんどF1種が使われているのだ。

で、昨年育てたF1の蚕さんは、そろって孵化して成育も良好。
ほとんどロスなく繭になった。

そして、思いがけずF1の子、つまりF2が孵化してしまい晩々秋に育てたけれど、育ちはとてもよろしくなかった。
途中でお亡くなりになる子が続出し、さらに繭を巻かない子や薄い繭の子が多数。
秋になり良い桑の葉を与えられなかったことも影響したと思うけれど、ひどい状況だった。

自給自足を目指すえみぃは蚕さんも自家採種したい、と、今年は固定種を取り寄せたのだったらなのなのだ!!



ジーンバンクっていう、農業生物資源を管理している機関から送ってもらった固定種3つ。
小石丸、金色(松本)、日本錦。

小石丸っていうのは日本古来の在来種の蚕と言われていて、俵型(ピーナッツみたいにくびれた形)で純白の小粒な繭を作る。蚕さんも小柄らしい。

細くて強い良質の糸が取れるので、江戸後期から明治にかけて育てられていたんだけれど、小粒で糸の量が少なく経済性に欠けると言う理由で実用品種から姿を消してしまった。

ところが、貞明皇后(昭和天皇の聖母)が東京産業講習所(現在の東京農工大学繊維学部)を訪れたときに小石丸を気に入り、そのときに種が献上されて以降、皇居内にある紅葉山御養蚕所で育てられるようになった。
つい最近、小石丸の糸が正倉院に保存されている古代布の修復にもっとも適しているということがわかり注目され、その品質も見直されているそうだ。
最近では小石丸の糸を使った着物や帯なんかも出始めている。

ってわけで、小石丸はぜひ育ててみたいと、昨年の9月にジーンバンクに発注。
で、自家採種をしていくには一品種じゃこころもとないので、黄色い繭を作る品種も育てたいなぁと「黄金(松本)」、名前が気に入った「日本錦」もお願いしたのだった。

注文にあたり、理解が難しい難読HPを読み、しゃらめんどくさい注文フォームに記載をしなければならずくじけそうになったけれども、やりたいことのためにはものすごい粘着力を発揮するえみぃはなんとか突破。
こちらが指定した掃き立て日(卵を孵化させる日)に合わせて種を送るよって書いてあり、田の草取りが終わる頃の一粒万倍日(7月6日)を記載したけれど、草取りが予定通りに終わるかわかんないし。
1品種につき一蛾(500粒ぐらい)が送られて来るんだけど、500×3品種を一度に育てる自信がなかったので、「催青(孵化させる準備)はこちらでやるので、準備ができたら送ってください」と書き添えた。
蚕さんの種(卵)は、産卵を終えて休眠期に入ってから冷蔵庫で保管して、孵化させるときに常温に戻すんだけど、冷蔵したまま送って欲しいっていう意味でお願いしてみたのだ。

あちらの担当者さんから「準備ができ次第請求書を送ります」ってお返事が来たので、冬中「いまかいまか」と待っていたんだけど、なしのつぶて。
春が来る頃は「準備できなかったのかなー」と思って半分あきらめていた。

そしたら6月21日、請求書を郵送しましたというメールが到着。
もう忘れてたから、びっくりしたよー。
代金振り込みを確認次第送りますとのこと。

二日ほどして郵便が届いたけど忙しくてすぐには振り込めず、草取りも終わってないからいいやと思っていたら、27日に振込最速メールが来ちゃった。
翌日あわてて振込んだら、7月4日に届いた。

卵が産みつけられた厚紙をパラフィン紙みたいのでくるんで、それをくるくるーって丸めて段ボールに入れて、普通郵便で。

しかも、3品種とも「これで一蛾?」っていうくらい、数が多い。
どうみても1000粒ぐらいずつある。いや、もっとあるかも。
固定種ってやつは、孵化率がわるいんだろうか?というのが頭をよぎる。

ともあれ、常温で送られてきちゃったから、全部孵化させるしかないわなと。
冷蔵したままだったら必要な数だけ孵化させて残りは冷蔵保存ってこともできるけど、いったん常温にしてからの冷蔵は種がだめになる可能性があるからだ。

冷蔵庫から出した種は「催青(さいせい)」と言う、全卵を揃って孵化させるために温度や光線量を管理する措置をする。
だけど、イベント続きの忙しいときに届いちゃったんでそんなことをしていられず、品種ごとに虫かごに入れておいた。

掃き立てに合わせて送りますってことだから、7月6日に孵化するんだよな~と楽しみにしていたけれど、まったく孵らず。
翌7日になってもまったく変化がなく、「もしかして全然だめなんじゃ」とあきらめかけたら、8日に小石丸さんが孵化!



良かったー。わーいわーい!と大喜びしたけれど、F1の錦秋鐘和さんに比べると明らかに揃いが悪い。
初日は100頭ぐらい孵ったのみ。

生まれたての蚕さんは「蟻蚕(ぎさん)」とか「毛蚕(けご)」と呼ばれ、真っ黒で毛が生えている。
体長は2mmぐらいしかなくて、老眼のリョウコさんは肉眼では見えないと言った。
卵から出てくると、ちっさい体を一生懸命伸ばして桑の葉を探す。そのしぐさがかわいくていじらしくて、ついつい見入ってしまう。

翌日もじわじわと孵化。
この調子だと全部孵らないかもしれない、だからたくさん送られて来たのかなーと。
そして他の2品種はまったく動きなし。

ところが、10日の朝、突然ピークがやってくる。
小石丸さんが今までにない感じで大量に孵化。
今まで動きのなかった金色さんと日本錦さんも、わずかながら孵化が始まった。

 

掃き立て(はきたて)というのは、卵から大多数の毛蚕ちゃんが孵ったところで桑の葉の上に羽根で掃き出すことから名前がついた作業。
先に孵った蚕さんが桑を食べ始めると、あとから孵る蚕さんと成育が揃わなくなるから、ある程度数を揃えて給桑(きゅうそう)をする。

だけど、こんなにスローペースだとそうはいかない。
孵った蚕さんがひからびないように、順次桑の葉を与えることにしたのだ。



毛蚕ちゃんたちを覗き込むみぃ。
だけど、猫の弱い視力ではまだ確認できないらしい。

孵化が揃わないのはえみぃの適当な催青が原因だと思ったけれど、もしかしたら固定種ならではなのかもしれない。

というわけで、11日の今日。
3品種とも絶賛そぞろみぞろに孵化中。

8日に生まれた小石丸さんたちは、早くも2齢幼虫になってガンガン食べまくっている。



写真は脱皮直後の2齢さんたち。
蚕さんは足を糸で葉っぱに固定して眠り、準備が整うと脱皮する。
葉っぱに小さい脱皮が残っているの、わかるかな?

この調子で行くと全卵孵っちゃいそう。。。
去年のMAXが500頭だから、その7倍?いや8倍ぐらいになっちゃうんじゃない?

さらに、蚕さん達は成育度合によって与える桑の葉が違うので、飼育ケースがいくつも並ぶことになり。

 

念願の固定種をゲットして喜びに浸ることもなく、今はまだ小さいからいいけど全員4齢を超えるころはどうなるんだろうという不安がよぎる。
考えると怖いから考えないようにして、なんとかなるさ~と開き直る、今日この頃なのだ。

野菜もそうだけど、固定種ってちゃんと育てるの、難しいな。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
プロフィール
HN:
えみぃ
性別:
女性
職業:
農婦
趣味:
育猫、育苗
自己紹介:
えみぃ・・・・オーナー
オット・・・・えみぃのオット
音次郎・・・・オス(8歳)
るん・・・・・メス(8歳)
チャーリー・・オス(6歳)
寅子・・・・・メス(6歳)
みぃちゃん・・メス(4歳)
ブログ内検索
バーコード
アーカイブ
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]